重症心身障害児(者 )及びに3P-症候群について
こんにちは、未田芽衣です。
今回は、論文のような少しお堅いスタイルでお届けします。
はじめに
障害者というと、多くの人は知的障害や身体障害を思い浮かべることが多い。
少し詳しく人になると、そこに精神障害を含めた障害者を思い浮かべる。
しかし、重症心身障害児(者)といえば、多くの人がどのような障害なのか
どのような人達なのか、を答えられる人は少ない。私もその中の一人だった。
なぜ答えられる人が少ないのだろうか。
勿論、日常生活で触れ合う機会が知的障害者や身体障害者、精神障害者に比べ少ない為
世間一般の認知度が低いことも要因なのだが、
私が考えるに、実際に重症心身障害児(者)やそれに関わる人々を見て触れ合い、
生活することでしか重症心身障害児(者)について話すことは出来ないからではないかと推測する。
重症心身障害
重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態を重症心身障害といい、
その状態にある子どもを重症心身障害児という。
さらに成人した重症心身障害児を含めて重症心身障害児(者)と呼ぶことに定めている
。
これは、医学的診断名でなく児童福祉での行政上の措置を行うための定義(呼び方)である。
その判定基準は、国は明確に示していないが、現在では、大島の分類という方法により判定するのが一般的である。
重症心身障害児(者)の数は、日本ではおよそ43,000人いると推定されている。
障害の原因
重症心身障害の発生原因は様々で、現在広く用いられている原因分類には、
生理的要因、病理的要因、心理・社会的要因の三つに分別する考え方がある。
また、出生前の原因(胎内感染症・脳奇形・染色体異常等)、
出生時・新生児期の原因(分娩異常・低酸素・極小未熟児・重症仮死産等)、
周生期以後の原因(脳炎などの中枢神経感染症・てんかんなどの症候性障害)
に分類することもある。
重症心身障害児の発生数は、医学・医療の進歩充実により、減少するよりもむしろ増加しているといわれており、
その理由として、超低出生体重児や重症仮死産などで、かつては救えなかったいのちが
救命できるようになったことが大きな要因と考えられている。
また、幼児期の溺水事故や交通事故の後遺症に起因するものも多くなっている。
重症心身障害児(者)の様子
姿勢 殆ど寝たままで自力では起き上がれない状態が多い。
移動 自力では困難、寝返りも困難、座位での移動、車椅子など
排泄 全介助(知らせることが出来ない(70%)。始末不可(76%))食事、自力ではできない。(スプーンで介助)、誤嚥(食物が気管に入ってしまうこと)を起こし易い。
食形態 きざみ食、流動食が多い。
変形・拘縮 手、足が変形または拘縮、側彎や胸郭の変形を伴う人が多い。
筋緊張 極度に筋肉が緊張し、思うように手足を動かすことができない。
コミュニケーション 言語による理解・意思伝達が困難、表現力は弱い。
健康 肺炎・気管支炎を起こしやすく、70%以上の人がてんかん発作を
持つため、いつも健康が脅かされている。痰の吸引が必要な人が多い。
超重症児(者)
常に医学的管理下に置かなければ、呼吸をすることも栄養を摂ることも困難な障害状態にある人をいい、在宅でも生活している。
呼吸管理 レスピレーター(人工呼吸器) 装着、気管内挿管(気管に酸素を送る管を入れる)、気管切開(カニューレ設置)などの呼吸 管理を要する。
食事機能 中心静脈栄養(口から栄養摂取できない場合に、静脈などから点滴投与する)、
経管・経口による栄養補給を要する。
3p-症候群とは
概要
3p-症候群は、第3染色体の短腕の末端に位置する遺伝物質の欠失コピーが存在する場合に生じる稀な染色体異常である。
状態および徴候、症状の重症度は、正確な欠失のサイズおよび位置、
どの遺伝子が関与しているかに示される。
発達遅延、知的障害、特徴的な表情、自閉症スペクトル障害、異常に小さい頭部(小頭症)、および筋緊張(低血圧)が多くの3p-症候群に共通する症状である。ほとんどの場合は親から遺伝されない。
3p-症候群に共通する症状には、以下のものがある。
出産前後の成長問題
食事の困難
精神遅延
筋緊張(低血圧)
知的障害
特徴的な表情
小頭症または珍しい頭形
自閉症スペクトル障害
他の特徴には、口蓋裂、多指症、胃腸の疾病、発作、聴覚障害、腎臓疾患、
先天性心不全など。
3p-症候群の原因
3p-症候群を有する大部分の人々は第3番染色体の突然変異(de novo突然変異と呼ばれる)として起こり、親からは遺伝されない。
de novo突然変異は、卵子または精子細胞の形成中、または受精卵に起こる突然変異に起因する。
遺伝
ほとんどの場合、3p-症候群は、発症者おいて初めて出現する突然変異であり
親からはほとんど遺伝されない。
しかし、3p-症候群を有する人が、妊娠でその状態を自分の子供に渡す確率は50%となる。(欠失は常染色体優性遺伝で受け継がれる為)
理論的には、親は血液検査でその染色体に欠失を持たないが、卵子または精子細胞の一部にのみ欠失している可能性があり、この現象を生殖細胞系列モザイク現象という。
診断
3p-症候群を診断するためいくつかの異なる特殊検査がある。
核型 - (かくがた)は、染色体を大きさ順に並べて表示した図。
常染色体に含まれるゲノムセット数が3つ以上ある多倍性細胞や1つずつしかない1細胞もあるが、通常は2つずつ持っている2倍体である。染色体は大きさ順に並べて表示されており、これを核型という。
核型は染色体変異の研究や、性別など個体の遺伝子型を顕微鏡によって見やすくするなどに用いられる。染色体を見えるようにして大きさや中の模様を決定するには、染色が用いられる。染色体全体の研究は「細胞核学」として知られるのに対し、各染色体の模様は「染色体バンディング」と呼ばれる。
通常のヒト核型には22組の常染色体と1組の性染色体がある。通常の女性は2つのX染色体を持ち、46,XXと示される。通常の男性はX染色体とY染色体を1つずつ持ち、46,XYと示される。しかし、性染色体に過不足がある場合があり、47,XYY、47,XXY、47,XXX、45,X などが知られている。45,Y の核型は存在しないが、それはX染色体を欠いている胎児は生存できないからである。
FISH - これは1980年代後半になって開発された技術で、特に転座型染色体異常の検出に威力を発揮する。
この方法の開発にあたっては、ヒトの染色体を分離収集することが必須であった。
こうして得られた各染色体のDNAを細切れにして、大腸菌に入れ増幅させる。
するとヒトのそれぞれの染色体に由来するDNAが大量生産できる。
こうしたDNAに蛍光色素をつけて、分裂期細胞における染色体標本の上でDNA同士が互いに相手を見つけてくっつくようにする(ハイブリダイゼーションと言う)と、特定の染色体だけに色をつける(着色)ことができる。(DNAは同じ塩基配列のもの同士は互いにくっつきやすい性質がある。)
こうして FISH により着色された染色体(例えば黄色)は、それ以外の染色体(例えば赤)と一部を交換していると(相互転座と呼ばれる)、部分的に黄色と赤になった染色体が観察されることになる。
通常は、こうした2色の染色体は1対(2本)観察される。(相互に染色体の一部を交換しているため)
相互転座はギムザなどの色素で染色体を染色して観察する場合には、大変発見が難しい。
例えば、同じ長さの断片が互いに交換を生じた場合を考えると、染色体の形、長さはまったく正常のものと区別がつかない。
しかしこうした異常でも FISH を利用すれば2色の染色体として転座を簡単に検出できる。
アレイCGH - CGH法について
Comparative Genomic Hybridization (CGH)法は、全染色体を対象にしてゲノムDNAの過剰、欠失、増幅などのコピー数異常を短時間で検出する方法である。
Joe Gray, Dan Pinkel, O-P Kallioniemiらによって開発された技術であり、その成果は1992年Science誌に最初に報告された。
被検試料の高分子DNAを利用して、染色体コピー数変化の検出が可能であるため、従来の染色体分析法では詳細な解析が困難であった固形腫瘍のゲノム異常解析法として、現在、広く利用されている。
染色体レベルの物理サイズで起きたコピー数の減少(loss)、過剰(gain)、増幅(amplification)を決定することができるが、本技術によりコピー数の変化を伴わない均衡型染色体転座を検出することは不可能である。
また、標準法では、1コピーの減少を検出するには、変化の起きた領域が少なくとも10Mb程度の大きさでなければ検出は不能とされている。一方、遺伝子増幅領域は1Mb未満のものでも、これを検出できる。
したがって、 CGH解析によって見出された欠失領域から、癌抑制遺伝子を単離するというアプローチは現実的ではない。
一方、新しい増幅領域の探索には非常に優れた方法であり、増幅の標的となる癌関連遺伝子の同定は積極的に取り組まれている。
という感じで、すこしお堅めに書いてみました。
論文なら、終わりに…みたいなことを書くのですが
今回は、論文のようなものなので こんな感じで許してください。
ちなみに、こちらのサイトを参考にしました。
日本語翻訳が必要ですが、翻訳機能でもなんとかなります(笑)
MedlinePlus - Health Information from the National Library of Medicine
ではでは、未田芽衣でした。